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高校2年の春。そう、出会い系で彼氏ができたのだ。
デブなわたしでも彼氏ができる。出会い系とはそれだけ出会いを求めた男女が多いのだ。
今のように大きなサイズも主流ではない。
コーディネートはいつも参った。
せっかく彼氏ができても、街に出ると周りの人に陰口を言われている気がして。ご飯屋さんに行っても「こんなに食べるの?」と思われたくなくて「お腹が空いてない」と外で彼氏と食事したことも数回しかないのだ。
誰かの目を避けるように。
川岸に座り川岸の横のビルの建設を眺めながら話すのがいつもデートだった。
彼は年上だったので、夜になると父親から車を借りドライブに連れ出してくれるのだ。
人目を気にせず二人だけの空間。
それが1番の幸せだった。
夜中両親が寝静まる頃(うちは両親の就寝が早いのが幸い)
布団にはダミー(膨らみ)を被せ、1階だったためベランダから飛び降りる。
団地の1階だからできる技だ。
毎日アルコールを夕方から大量に飲む両親は、この事に気づく事は全くなかった。
夜中に出るため、夜ご飯を彼と一緒に食べるわけもなくただ、車を止めて話すだけ。
きっと「好きだ」とかそんな言葉を言い合った記憶もない。
付き合っているのに、いつも誰かの視線に怯え、ありもしない陰口に怯える。
「見て?あのカップルの彼女。ブスじゃない?凄いデブだよね」
そう言ってるように見えた。笑い声が全てわたしに向けられてる気がした。
自分の身なりでドラマや漫画のような「好き」なんて会話をする事があり得ない。似合わない…
「彼氏ができた」なんて言うとみんなにびっくりされるだろう…と。親しい子にしか言わなかった。
もちろん親にも言わなかった。
普通の恋愛は到底できなかった。
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