第三章 毒親からの子離れ

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母は、たまにわたしに性教育をした。 性に対しては興味津々だったが、母から聞かされて学ぶ事はなんとも言えない苦痛でたまらなかったた。 そう、決まって話し出すのは酔っている時だから。 小4の頃まで3人で寝ていた。 両親の夜の営みを目撃したことが何度もあるのだ。 別の部屋でするなり、思春期になる娘に対する配慮はなかったものか。 大きな声で喘ぐ母の声に、耳を塞ぐわけにもいかず、起きるわけにもいかず、眠れる訳もなく。トイレに行きたくなっても行けない。 嫌なトラウマがあるからだろうか。 あの、記憶だけは当時いつも嗚咽が走るくらい嫌だった。寝るのが怖かった。「今日はやめて」 ほどなくして「みんな子供部屋があるから、わたしも作って欲しいと」頼んだ。 きっと、察したのだろう。すぐに部屋を変えてくれた。 さて、話は戻る。性の話をするとき母は、「わたしは"行為"が嫌いなの。こんなことするからあんなことするから」と父親の性癖を連想させる話をわたしにするのだ。 まぁ、単に友人が居ないため、わたしにしかそんな話さえもする相手もいなかったのだろうが。たまらなくきつかった。 わたしが極度な父親嫌いになったのはここがきっと、始まりだ。軽蔑する。 高校を卒業するくらいから、母は父と別に眠るようになった。 3人が別に寝ていたのだ。 母によるとその頃くらいから、父とは性行為がなくなったらしい。 母が拒絶し続けたそうだ。 「浮気をしてもいい。そのくらいあなたとは出来ない」そう言ったらしい。 今ならわかる。こういった事が言えるのは、本当に好きな人と結婚をしてないからだろう。と。 母は言っていた。「したくない訳じゃない。パパとが嫌」と。 浮気をするようなことは、全くない母。 しかし、わたしの勝手な解釈だが、満たされない女としての欲望。欲求不満。そこもわたしに当たり散らかすストレスの原因だったのだろう。
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