第三章 毒親からの子離れ

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高校を卒業した。 わたしは、介護福祉士の国家資格には合格しなかったものの、ある介護施設に就職した。 ここには高校時代の親友のルナと一緒に就職した。 誕生日が早生まれなため、卒業してすぐに教習所に通った。 お金は母が貯めたへそくりで出してくれたのだ。 母にとってもわたしにとっても念願の車だ。 免許取り立ては楽しくて、母を色んな所に連れ出した。 遠出もした。 しかし、遠出をすると母は決まって焼酎の入った水筒を持参するのだ。 行きは、シラフで明るく怒ることなく、冗談言い笑い合う仲。夕方になると口調が荒々しくなる。呂律がまわらなくなる。 あーあの水筒は焼酎なのか… 母からの出掛けたい!の言葉を断ると「わたしが免許代出したのに!!!!」と怒鳴る。 母の虫の居所が悪いときに誘えば「わたしはあんたの都合ばっか!友達に断られた時だけわたしを誘うのよ!いつも!」と怒鳴る。 わたしは、母親の顔色を伺うばかりだった。 就職してからは、介護職なこともあり不規則な勤務体制なこともあってか、母は社会人になってからは出歩くことにあまり何も言わなくなっていた。 次の日が仕事でも夜中まで友人と遊んだ。 ある日のこと。生理が来なくなったのだ。 母に「お腹が痛いの」と曖昧な言葉で相談した。 母は、近くの総合病院に連れていった。 さすがに母親だ。その言葉だけで、状況を全て理解したのだ。
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