第三章 毒親からの子離れ

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職場の手取りで13、4万程だった。 今まで自由にお金を使えなかったわたしは、自由にお金を使えることが何より楽しかった。 初任給では、母と父に靴を買った。安い靴だが母は大層喜んだ。 その後は、家に入れるお金、車のローン、携帯代以外はガソリン代や遊び代に消えていった。貯金なんてしなかった。 そんな中、この職場で私は、人生において今後を左右する出会いを多くする。 まずは、友人だ。 小、中と言えば、エリとも連絡をほぼ取らなくなり、繋がりはないに等しい。高校の仲良しグループは月1集まったりするがその程度。その中に一緒に就職したルナがいたが 職場で何人もの生涯の友人ができる。 一人は、1つ上の先輩のミナコだ。ミナコは、体格がよく背も体型も大きいが、メイクは上手く、服のセンスはよく。何より明るく愛嬌がよい。面白くて楽しい。なぜ、太っているのにこんなに自信でみち溢れているのだろうと。率直に思った。下からも上からも慕われるミナコは、憧れの存在だった。 二人目は、同期で入った2つ上の、ミオだ。 ミオは、冷静沈着。頭の回転が早く、見た目はクールなのに。シュールな笑いを楽しむ人で「この人と友達になったら自慢だなぁ」と私は密かに思っていた。 長い年を重ね、彼女らはかけがえのない友人…友人を越えわたしの姉のような存在になっていった。 他の友人たちも今でも連絡をたまに取り合うかけがえのない友人だ。この職場に就職したことがわたしのターニングポイントだったのだろう。 そんな多少充実した中で、母のヒステリーの加減ではあるが波のある生活を送っていた。 ある日、職場にバイトで同じ年の男の子が入った。 容姿も素敵な大人しい男の子で。無口。でも、礼儀正しい男の子だ。 わたしは、一目惚れをしたのだ。 もちろん、容姿はデブのまま。
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