第四章 ターニングポイント

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出産時期を迎える。 2週間早く破水をし子宮口が開かず、緊急帝王切開ではあったが、娘は無事に生まれた。 母も少し変わるかと思った。 産科は実家近くにし、母は毎日通ったがそのうちに「そんなに毎日毎日見ても変わらない」だ、酒が入ってるのかも?と思わせるような、酒を飲んで面会にくることがあった。 ほどなくして実家に里帰りした。 出産、育児を軽く見ていた知識のなかったわたしは驚愕した。夜は一時間置きに泣き、上手く母乳も与えられず、眠れない日々を過ごした。 先輩ママとなっていたルナは、「昼間にお母さんに見てもらって睡眠取ってる」と言っていた。 その話を母に話すと母は間髪いれず 「みんな頑張って育てている!甘えるな!わたしは当時母に頼ってない!病気じゃないんだから」と言った。 実家にいることが苦痛でたまらない。 洗濯も皿洗いもする。掃除もする。だけど「こんな干し方じゃ乾かないじゃない」「あんたの掃除機のかけ方は抵当!」「やりたくないなら、するな!!」 なんでも完璧主義者の母親。 これなら、家にいた方が精神的には楽なのだ。 わたしは、まだ生まれて2週間ほどの娘を連れ家に帰る。 家での3人での生活が始まる。 彼は寡黙で人見知りで、みんなで集まって遊ぶことや人混みへ行くことを嫌がった。家にいても会話は一方通行。 彼は相討ちしかしない。 借金は相変わらず弁護士を雇い月8万ほど返していて、生活費も殆どわたしが、出していた。 彼に不満が出るが3人での家での生活は楽しかった。 幸い母のお陰で、家事は慣れていたので苦痛はない。家庭に憧れが強いわたしはインテリアも好きで、わたしのお城みたいだった。 そんな時、彼が急に職場を変えると言い出した。 娘が6ヶ月になろうとした頃だ。 彼は、ある介護施設を経営している社長に雇われ社長として任されたのだ。 地獄の始まりだった。
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