第一章 毒親になる母と父 -幼少期-

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幼稚園は、父の祖母の勧めで家から離れた私立の幼稚園に入らされた。 1年ほど幼稚園に通った頃に、父が1年だけ転勤になった。場所は千葉だ。 千葉に引っ越しと決まった頃、母は妊娠した。 安定期ではないからと母の体調を見て医者は父に単身赴任を勧めた。 あの父が単身赴任なんてするわけもなく、母は父と一緒に千葉へ移り住む。 昭和62年の日航機墜落は当時新しい事件だった。 父は飛行機を恐れ、電車を乗り継ぎ千葉まで移動をした。着くと引っ越しの片付けに追われた。 母は流産した。 検診に行くとエコーには写らなかった。排泄物と出たのだろうと。のちに母は「父のせいだ!」と嘆くことがあった。 そんな母は、尚のこと離れた両親や姉とは更に会えず、より一層わたしだけに愛情を集中させる。千葉では幼稚園には通わせてもらえなかった。母が寂しいから。 千葉は楽しかった。団地に同じ年の双子の兄妹がいてよく遊んだ。当時出来てまもない東京ディズニーランドは意外と近くて、2回程連れていってくれた。 ただ、5歳の時だ。双子の兄妹のことの方が余程覚えている。ディズニーランドは覚えてはいない。 1年経ち、地元に戻った。 すぐに4月になり小学生だ。クラスの子供達は近所の幼稚園や保育園に行っていたため、はじめから友達同士だ。わたしと同じ離れた私立の幼稚園に行っていた子はいなかった。【幼なじみ】はいなかった。
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