第四章 毒親からの解放のために。

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母は祖母と話すのが好きだった。 祖母はどんな話でも、めんどくさそうにせず、否定せずただ聞いてくれるから。笑ってくれるから。褒めるから。 母は話していて気持ちがいいのだ。 友達もいなくて、私に話しても嫌な顔、めんどくさそうにされる母からすれば、祖母の存在はすごく大きなものだっただろう。 母と祖母の関係が分かるからこそ、わたしに対して母もそうあって欲しかったし、母はなぜそこがわからないのだろう。と矛盾を感じた。 わたしが母の話を聞かないとわたしが罵倒される立場で、「ばぁちゃんは話をきいてくれたのに!あんたはきいてくれたことがない!」と言われる。 けれど話される話は、母の幼少期の辛い話、父の愚痴、母の姉の愚痴、わたしは病気だ!と負の連載の続くネガティブな同じ話。 そんな話をいつもされても笑顔で聞ける余裕は私には全くなかった。 友人がいなく、わたし以外と出歩かない母。 父とは会話がない。話す話題はないのは当たり前だ。 その頃、母と父の関係は「家庭内別居」状態であった。 父が母に「冷蔵庫の中に○○あったけど、食べていいかー」と聞くと、母は「わたしが買ったもの勝手に見ないでよ!!」と声を張り上げた。 確かに年を取り我道をただ生きた父。母からは全く相手にされず、食意地にしか走るものがなくなったのだろう。 家にいればよく冷蔵庫を開ける父、母がキッチンに立てば何を作っているか覗きにくる父。 母はたまらなくなり、部屋に更にこもるようになり、部屋に小型冷蔵庫を購入したのだ。 家の冷蔵庫の冷凍庫の一部には母が「私のところ見るな!」と張り紙を貼っていた。 父は以前にも書いたが、寝るのが早いため(夕方16時くらい)朝は1時くらいに起きる。 朝ご飯は4時頃作り、5時頃食べる。 明け方に物音が騒がしく母は睡眠不足だった。 夜は、昼を食べないので14時くらいから夜ご飯が始まる。 晩酌だ。つまみを買い適当に父自ら作る。 食べたらダラダラすることなくすぐに寝る父。 そのため、母がキッチンに立つことも少なくなってきた。生活リズムが父と母は全く違うのだ。
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