第一章 毒親になる母と父 -幼少期-

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みすぼらしい父、身なりはひどい。 どこでもテレビのCMなど耳につくものは鼻唄や大きな声で独り言をいう。 車はないから歩くのだ。 休みは決まって、近くにスーパーはあるのに、あの店はどーだーこーだー言い3キロほど離れたスーパーまで歩いて3人で行く。肩にはリュックを背負い。 買う食料が大量なため、持ちきれないからだ。 帰り道はぱんぱんになったリュックを背負い、両手にはぱんぱんに詰められたスーパーの袋を持つ。 たまに、帰りにラーメン屋に行く。 子ども向けのレストランなんて行ったこともない。 夕ごはんの外出は決まって居酒屋。レストランはお酒がないから。 それらが全て恥ずかしくて恥ずかしくて。行きたくなかった。「行かない」と言えば殴られた。蹴られた。 母に「謝りなさい」と言われるループ。 何の楽しみがあるんだろう。 自分が欲しい!と思うものは与えられず。 両親の好みで買い与えられたものを食べ遊ぶ。 勉強はしなくても怒られはしなかったが構わないから、勉強の仕方もわからないわたしは頭も悪い。 集中力も持てない。今思うと何かしらの発達障害がわたしにあったのかもしれない。 両親がパチンコ屋にいる間は1000円ほど与えられ、何本もジュースを買い飲み、駐車場で1人自転車で遊んでいた。同じような子供は当時、たまにいて一緒に遊べるのが楽しかった。 今思うと当時から母はアルコール依存症だったのだろう。母は飲むと当たりが激しくなり暴言を吐く。 そんなある日のこと泥酔した母が言った。 「あんたには姉ちゃんがいるんよ!おねえちゃん!」置いてきたっきり会ってない母の第一子の事を言っているのだ。 小学4年生のわたしには到底理解は出来ず、ショックを隠せず泣いた。今まで一人っ子だと育てられた。母の愛情はわたしに全て注がれてたはずなのに。 理解不能とやきもちと。これからどうなるのかの不安の中母は 「お姉ちゃんいるんよ!喜ばないの?なんでよーー!!!」と魔法瓶のポットを飾ってあったガラスケースの博多人形に投げつけた。 ポットの魔法瓶もガラスも飛び散った。 母はほどなくして寝室に行った。 初めて死にたいと思った。助けてくれる人はいないのだ。 こたつのコードが見えた。これで首を絞めたら死ぬのかな。 首にコードを回したが死に方がわからなかった。怖かった。 翌日、「ごめんなさい」をわたしが言う。 「ママの気持ちをわからなくてごめんなさい」 あぁ、わたしには母しかいないんだ。 母がいなくなったら生きてはいけない。
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