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第四章 ターニングポイント
彼とは、ミナコのお陰で付き合う事になったのだ。
もっぱら、出会いといえば出会い系。
そんなわたしが、容姿も良く背も高くスラーとした彼と付き合う事になったのだ。
気がどうにかなりそうだった。
彼は、それからバイトを辞め、無職のまま何ヵ月か過ぎた。
ましてや彼には400万程の闇金で借りた借金があったのだ。
デートと言えばお金を使わないドライブだ。
まぁ、人目が気になる私からすると好都合だが。
なにより、出会った馴れ初めの輝きがわたしには偉大過ぎて別れを切り出すことができなかったのだ。
その翌年、長年住んでいた社宅が取り壊されるという事で、母の念願のマンションを購入した。
貯金がほぼない二人だが、父の退職金で払い終えるだろうとローンの審査が降りたのだ。
その数年父の真ん中の姉は「わたしは、何があってもお金貸さないからね!」と何度も電話を掛け母を苦しめた。まぁ、父の借金を全て返済しても尚、生涯生きていける財産はあるのだから。
母は「あの人は金の亡者だ…」とよく言った。
そんな頃わたしは介護福祉士の国家資格に合格した。
それを機に、とある病院の介護福祉士として転職した。施設より給料は良く。ボーナスも必ずある。休みが多く、福利厚生がよい。貯金も出来るようになってきた。
スポーツジムにも通い15キロ程落とした。
余裕が出来て順風満帆だと思っていた。
母は、わたしが彼氏の話や友達の話を楽しそうにすると、昼間は「いいねー」と普通に話を聞いてくれるのだが、酒が入ると「昼間の話だけど。あれ?嫌味?わたしが友達いないからってバカにしてんの!」と罵倒した。
わたしの私生活が楽しそうになると母は気にくわないような気がした。
それをわたしも言い返し「羨ましいの?」なんて言えば母の頭は燃え盛る。鼻で笑い言う「バカかお前は!!出ていけー(部屋から)お前の顔なんか二度と見たくない!!」
仕事が残業になる。と伝えた時は「なんでこんなに遅いんだ!!ご飯作ってるのに!勝手にしろ!」と怒り。
「夜、友達とご飯食べて帰るね」なんて言えば「もう、お前のメシは二度と作らない!」と一方的に電話を切られる。
前の職場を退職した日も、両親は寝ていた。
時間は20時過ぎ。頂いた花束を一人花瓶にさす虚しさは忘れない。
そんな頃高校時代の親友のルナが妊娠し結婚したのだ。
21歳にして職場の友人の結婚式には何度も出席してはいたのだが、ルナの結婚は正直ショックだった。
就職して夜遊んでいたのはいつもルナだった。明るくて、可愛くて美人で愛嬌がいい、ルナは私から見ても自慢の親友だった。
なんだか、取り残された様な気になった。
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