第二章 毒親からの洗脳

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第二章 毒親からの洗脳

母は元々明るい性格であった。 料理が好きで、手先が器用。化粧もファッションも好き。おしゃれな靴はたくさん持っていた。 「お洒落は足元からっていうのよ 」「女の命は髪の毛よ」「靴はいいものを履きなさい」 いつもわたしに言っていた。 「お父さんに車があればね…」助手に乗ってドライブしたい!母はよく言っていた。 昼間のお酒を飲んでない時の二人きりでいる時の母は大好きだ。 話をずっと聞いてくれて、怒らないし。よく笑う。容姿は美人だし。自慢だった。「お姉ちゃんみたいなママ」わたしはよく母に言った。 少しづつ、母は実家へ行かされることを許可される。 というのか、父が3交代勤務なのを上手く利用し出掛けていたのかもしれない。 まれにだが、わたしを祖父母宅に置き、母の姉と母で飲みに行っていた。 祖父母との生活は楽しかった。何をするわけでもなく、夜中十テレビを見て。祖母は編み物をしていた。 わたしはお絵描きをして過ごした。 寡黙だけど優しくて可愛いおばあちゃん。今で言うDIYがそれはそれは得意な几帳面なじいちゃん。 兄弟がいない、わたしにとって誰かに会える祖父母宅に行くことはとっても楽しかった。 ある日から母は、わたしを姉との飲み会に連れていくようになった。 居酒屋でよく男性に母は絡まれるのだ。知らない男性と楽しそうに話す母に、父に不満があるんだろうなと感じてはいたものの、幼いながら、他の男性と話す母親に対し嫌悪感は持ってしまっていた。 しかし、誰か知らない異性と話す機会など全く与えられなかった母にとって唯一の気晴らしだったのだ。という反面 若干完璧主義者な性格の母が浮気などすることはなかった。 わたしがいると相手の男性が踏みとどまるストッパーになる。そう母は話していた。 ただ、他人と話すことだけ。それだけで楽しかったのだろう。そのときだけはお酒を飲んでも機嫌がいい。
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