第2章 小さな竜退治とお腹の竜退治

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第2章 小さな竜退治とお腹の竜退治

目的地に着くと都市の入り口は騒がしかった。 私はセルビアと目を合わせ不思議に思う。  「なにかあったのかな?」  「まぁ…暇だしちょっくら行ってみるか。」 そう言って人が集まっているところへと走り出す。 南の復興都市は今から三年前に復興開始した、まだ小さな都市で貿易の中心となっている。 貿易の中心とはいえ、治安はまだまだである。 入り口につくと群がっている人の中心には 小さな竜が横たわっていた。 その竜はピクリとも動かない。  「こいつは…?!」 そのドラゴンを見たセルビアは驚く。  「どうしたのセルビア?」  「このドラゴンは…   黒竜(ナイトドラゴン)だ…」 セルビアは竜の容態を見ながら  「危険なので離れてください!!」 と声を張る。 周辺に群がっていた人達はたちまちと何処かへと消えてゆく。 セルビアは駆除装置を取り出しながら  「黒竜は大人になると猛竜になる危険な竜の代表的な一種なんだ。   成長も他の竜と違って早く   今現在確認されている最速成長は1日だよ。」  「ご丁寧な説明ありがと。   さっさと駆除しないとやばい奴ってのは分かったわ。」 駆除装置の準備が完了し作動し始める。 キュイィィン…と音が鳴りだし中から小さなポーションが出る。  「これが駆除できる聖水?」  「ああ、そうだよ。   これをこのドラゴンの背中に流して…」 そう言って聖水を黒竜の背中に流すと 黒竜は小さな光の粒になりながら消えていった。 その光の中から小さな紙切れが出てくる。 それをキャッチし、鞄の中へとしまう。  「なにしまったの?」  「ああ、これかい?」 そう言って鞄から紙切れを出す。  「この紙切れは   ギルドに出す用の大切な紙なんだ。   この紙をギルドに提出しないと退治規則違反だからね。」 そういってまた鞄へとしまう。 退治規則とは 今から約4年前に制定された規則である。 退治専門者以外は駆除してはならないとか 竜を内密に飼ってはいけないとか 退治した際に出てくる紙切れは必ずギルドに出すとか 竜に対してのいろいろな規則をまとめたものが退治規則である。 退治規則違反したものは 懲役10年、もしくは死刑に処される。
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