百花繚乱の空房

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季節は冬 凍りついた有明の月が山際に輝き 刃のような月光が暁闇を裂く 私は寝台のなか 夢魔のように忍び入った鋭い寒気が部屋中に満ち、寝室はさながら水牢の如くである けれども、私の躰は麗らかな温もりに包まれている。 麗しき女人たちの懐に抱かれ 香しき吐息のなか 甘やかなる眠りに沈んでいる
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