第4章 ふたりの想い

15/15
419人が本棚に入れています
本棚に追加
/153ページ
私は上田さんには 会ったことはないけれど 話を聞いているだけでも 優しくて誠実な男性のイメージが浮かぶ まして同じような境遇をこえてきた ふたりだから 通じあうものがあるに違いないと感じる そう思うのは私だけなのかな? 「これで会えなくなっちゃっても 良いの?茉穂は」 「……………ん……もう…いいのよ ありがとね佳菜子」 茉穂は笑って言った でもそれはほんとは そう言う茉穂の心の中に あるわだかまりが宿っていたからだったの 茉穂の午後の打ち合わせの時刻が迫る 「じゃ帰るね」 「うん!お疲れ」 席を立ち出口に向かった私は振りかえり 茉穂に言った 「連絡しなさいよ!」
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!