第5章 佳菜子の決断

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「お呼びですか?」 私は齋藤課長の元を訪れていた 秋の結婚シーズンも終わり 社内は落ち着きを取り戻していた 冬にもお式は入るが 春夏に比べればそれほどの数ではない 「ああ橘さん ちょっとこっちに移ろうか」 齋藤課長は立ち上がると事務所内の 応接室のドアに手をかけた 「はい」 課長の後をついて中に入る 「座って」 勧められソファーに腰をおろす 「お疲れさまです」 「お疲れさま」 齋藤課長は穏やかな笑顔で私を見た 「今シーズンも頑張ったな 橘さんの式は評判いいぞ お客さまからたくさんの感謝の言葉が 届いているよ」 「ありがとうございます」
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