【第2章:いずみとの攻防、再び】

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 そして挙句の果てにはその男子に「あなたとは仲良くできません」と言えと強要してくる。  それが中学の頃からの彼女のやり方だった。  彼氏が欲しいという欲求はそんなにないけれど、みんなと壁を作って友達すらできないことが辛い。  すぐに『姫松さんは高嶺の花だ』と言われるようになった。  それでも校内を歩いていると、すれ違いざまに私を憧れの目で眺める男子は何人もいたの。 「下駄箱にラブレター」なんてことも何度かあった。  余談なのだけれど、下駄箱にラブレターが入っているシーンを物語で最初に描いたのは誰なのかしら?  そのワンシーンで「登場人物がモテモテ」って表現できるんだから、この表現を最初に考え出した人は天才よね、って思う。  まあ一度に複数のラブレターが入っているシーンをよく見かけるけど、そんなのはあり得ないよね。  先に入っている手紙を置いたまま、その上に自分のラブレターを置く人っている? いないよね、普通。  まあ何はともあれ、私の学校の下駄箱が鍵付きでなくて良かったわ。  えっと、何の話だったかしら?  そうそう、私がモテモテだってお話ね。     
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