【第3章:過去の出来事】

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 いずみは、なんで知ってるんだろう。疑問だらけ。  裕太君からデートのお誘いメッセージが来た時、テーブルに置いてあるスマホをいずみがちらっと見たような気がしてたけど、やっぱり見てたのかな? 『デートとかじゃないよ』 『へぇ~ あんなに楽しそうにしてたのに? あなた、あんなににやけた顔してたのに?』  まるで見ていたように言ってる。背筋がぞぞっとした。背筋がぞぞぞわっとした。もしかして千里眼の特殊能力を持ってるの?   『見てた……の?』 『見てたよ』  にやっと笑ってこともなげに言ういずみが怖い。怖すぎる。 『なんで?』 『たまたま見かけたのよ。悪い?』  いずみは眉間に皺を寄せて、不機嫌そうな声を出した。 『あれは、どう見てもデートでしょ!』 『う、うん』  どう言い訳したらいいのかわからなくなって、私はつい肯定しちゃった。  そしたらいずみは、顔を真っ赤にして、めちゃくちゃ怒りだした。 『前から自分が好きだと言ってたのに、裕太君を横取りした』 って、いずみは私を責めに責めた。 『裕太君の方から告白してきたから仕方ない』って、いくら言い訳してもいずみは聞く耳を持たない。あれ? 自分で『言い訳』って言ってしまってるよ。だけど、ホントに仕方ないじゃない、って思う。     
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