【第3章:過去の出来事】

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 そのうちいずみは『今からでも、裕太君に付き合うのを断れ』と言いだした。  --え~っ? そりゃないでしょ?  私は裕太君と付き合うのを認めて欲しいとお願いしたけど、いずみは頑として認めてくれなかった。  いくら友達だからっていっても、そこまで拒絶する権利はあるのかしら?  段々と私も腹が立ってきた。  でも-- 『断らないなら、裕太君にもクラスの皆にも、麗の両親が離婚したことを言いふらす』  いずみはそう私を脅した。それはそれは、ホントにマジな顔して脅すんだもん。なんてことを言い出すのか、この子は。 『それは、やだ』  親の離婚の公表をどうしても避けたい。《お嬢様ブランド》を手放したくない。私はいずみの言うとおり、裕太君にお付き合いを断った。  --って簡単に言ってるけど、結構、断腸の思いってやつだったわ。それにしても、腸が断たれるって痛そう。痛いどころか、本当にそうなったら確実に死ぬよね。  裕太君は突然のお別れ宣言に、訳がわからず焦っていた。 『この前のデートで、僕何か悪いことした?』って、すごく気にしていた。  いいえ、裕太君は何も悪くないの。 『本当にわがままでごめんね』  そう謝って、とにかくお付き合いは白紙に戻してもらうことになった。     
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