【第4章:いずみとの攻防、三たび】

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 そう言いながら、いずみは立ち上がって、制服に付いた砂埃を両手でパンパンとはたいた。  良かった。ホントはかすり傷よりは重症ぽいけど、そんなに大したことはなさそう。  周りで遠巻きに様子を見てた他の生徒たちが、ホッとした表情で離れていった。私たちも、駅に向かってまた並んで歩き出した。   「ところでさ……いずみって、毛糸のパンツ履いてるんだね」  さりげなく言ってみた。 「え? あ…見えた? 冷えてお腹の調子が悪いのよね」  いずみは顔を真っ赤にして、あたふたしてる。しめしめ。 「うん、見えたのよ~ しかも熊っ!」  ことさら熊を強調して、私は笑顔で答えてあげた。 「うわっ、恥ずかしい」  普段から、いかにもお嬢様ですって気取ってるいずみだから、恥ずかしさも人一倍のはずよね。 「小学生みたいで、可愛かったよ。みんなに言いふらしちゃおうかなぁ~」 「ええっ? 何言ってんのよ!やめてよ」  --よしよし、かなり焦ってる。ここで決め台詞! 「毛糸パンツのことを言いふらさない代わりに、今後は私のことも暴露しないって誓って!」  ああ、これでいずみの呪縛から逃れられる! 「え? そんなのやだ。誓わない」  私は「へ?」っといずみの顔を見た。真顔だった。  ちゃんと聞こえなかったのかな?     
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