【第4章:いずみとの攻防、三たび】

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「言いふらさない代わりに、今後は私のことも……」 「何度も言わなくていいって!」  こらこら、いずみちゃん。人の話は、最後まで聞くものですよ。 「だからそんなのは、聞き入れられないから」 「じゃあ毛糸パンツのことを、言いふらしちゃうよ?」  いずみは黙って、私の顔をじぃ~っと見つめてる。  --こ、怖い。 「へ~っ、あんた、また私を脅すんだ」 「え? いや、脅すだなんて……」  もちろん、脅してるんだけどね。それは間違いない。だけど眉間に皺を寄せていかつい目つきをしているあなたの方が、脅している感が満載なんですけど。 「いい度胸じゃない?」  いずみは低くドスの効いた声を出した。  あわわ、どうしよう?
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