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4-2:恥ずかしい写真を公開してやる
◆◇◆
「麗がそんなこと言うなら、毛糸パンツのことを言いふらしてもいいよ。その代わり、麗の両親が離婚したことを言っちゃうよ」
やばい。攻めたつもりが攻められてる。押し返さなきゃ。
「毛糸パンツのことをホントに言うよ? 恥ずかしいよぉ」
「うぐっ……」
いずみは綺麗な顔を歪めて、息を飲み込んだ。
よしよし、形勢逆転。
しかし少し思案してから、いずみはまた口を開いた。
「毛糸パンツなんて、明日から履かなきゃいいだけのこと。でも離婚は取り消せないよね。だから、やっぱり私の勝ちだよ」
いずみはにやりと笑った。
ああ、そのにやり顔。ホントにムカつく。どうしたものかしら。
頭をフル回転させて考える。
--そうだ!
「じゃあ、これを他の人に見せてもいいのね? 写真はずっと残るよ」
スマホを取り出して、ぐいっと画面をいずみの鼻先に突きつけてやった。
いずみは口をあんぐり開けて、毛糸パンツがバッチリ写った写真を凝視してる。
へへへ、どうだ!
「クラスのみんなに見せようかなぁ。それともSNSに投稿しようかなぁ」
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