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「甘いわね、いずみ。生パンじゃないって、気づかなかった?」
「え?」
いずみはスマホ画面を確認すると、顔をしかめて「チッ!」と舌打ちをした。
スカートの下は体操着。当たり前じゃない。
「さあ、奥の手も封じ込められてしまったわね。どうするいずみ?」
私は『今度こそジ・エンド』という表情を浮かべた。
--ん? いったいどういう表情かしら?
苦しげな表情のいずみだったけど、しばらくしてふうっと息を吐いて表情を緩めた。
急にどうしたのかしら?
「わかった。いいよ」
「何がいいの?」
「その写真を誰かに見せてもいい」
「え? 本気で言ってる?」
いずみの声は、もう落ち着いていた。どういうつもり?
本当に見せてもいいと思っているのか、強がりなのか。
それとも、もしかして露出狂?
「見せてもいいけど、その前に私が麗の秘密を暴露してやる!」
いずみはそう吐き捨てると、いずみは息をすう~っと吸い込み、口の横に両手のひらを付けて、大声を出した。
「みなさーん、この姫松麗さんのご両親は、り……」
「ちょっと待って!」
私は急いでいずみに飛びつき、顔をいずみの耳に近づけて、大慌てで耳元で囁いた。
「言わないから、言わないから、言わないから!毛糸パンツのことは言わないから!」
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