【第4章:いずみとの攻防、三たび】

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「甘いわね、いずみ。生パンじゃないって、気づかなかった?」 「え?」  いずみはスマホ画面を確認すると、顔をしかめて「チッ!」と舌打ちをした。  スカートの下は体操着。当たり前じゃない。 「さあ、奥の手も封じ込められてしまったわね。どうするいずみ?」  私は『今度こそジ・エンド』という表情を浮かべた。  --ん? いったいどういう表情かしら?  苦しげな表情のいずみだったけど、しばらくしてふうっと息を吐いて表情を緩めた。  急にどうしたのかしら? 「わかった。いいよ」 「何がいいの?」 「その写真を誰かに見せてもいい」 「え? 本気で言ってる?」  いずみの声は、もう落ち着いていた。どういうつもり?  本当に見せてもいいと思っているのか、強がりなのか。  それとも、もしかして露出狂? 「見せてもいいけど、その前に私が麗の秘密を暴露してやる!」  いずみはそう吐き捨てると、いずみは息をすう~っと吸い込み、口の横に両手のひらを付けて、大声を出した。 「みなさーん、この姫松麗さんのご両親は、り……」 「ちょっと待って!」  私は急いでいずみに飛びつき、顔をいずみの耳に近づけて、大慌てで耳元で囁いた。 「言わないから、言わないから、言わないから!毛糸パンツのことは言わないから!」     
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