第一部 リラ編 * 序章

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「はい…あ、あの」 「ん?」 「あなたはなぜ、こんなところに?  僕が言うのもおかしいのですが、ここがどんな場所か知っていますか…?」 「あー…そりゃまぁ、そうなりますわな」 そういえば忘れていたが、俺たちは今、悪魔の棲家の中で呑気に自己紹介をして話し込んでいたのだった。 現実をいろいろと思い出し、苦笑を浮かべながら当たり障りのない答えを返す。 「この街の人間なら当然知ってるさ。  ちょっとワケアリで、ここに用があったんだ」 「そうですか…変わっていますね」 おまえもな。
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