なにかある

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なにかある

「ねぇ知ってる? 午前四時四十四分にね」  甥っ子が会うたびに聞かせてくれるのは、彼の通う小学校で流行っているという都市伝説の数々だった。  仕入れてきたネタを嬉しそうに教えてくれるのだが、正直どれも聞いた事のあるような話ばかり。今日の話も「四時四十四分」にまつわる内容らしく、聞く前から(合わせ鏡の話かな? それとも電話に出たら吸い込まれちゃう話かな?)と、幾つかの鉄板ネタが頭に浮かんだ。 「四時四十四分にね、スマホの検索履歴を見るとね、そこに見覚えのない数字と語句の履歴が残っているんだって。それ、何だと思う?」 「えー、なんだろ?」 「自分が死んじゃう日時と、その原因なんだって。怖くない?」  予想に反して、初めて聞く(たぐい)の話だった。  四時四十四分に開いた検索履歴に現れる日時と死因。それが自分の最期を予言しているというのか。なかなか面白い。  想像の羽を広げてみる。     
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