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出てきた日時がちょうど現在時刻と同じで、一瞬にして命のともしびが消えてしまうとか、「水死」と書かれていたから、水場に近づかないようにしていたのに、バナナの皮で滑って転んで、結局水たまりで溺れ死んでしまうとか、創作はいくらでもできそうだ。
とりあえず四時四十四分に試してみる事にした。
死亡時刻と死因が出てきても確かに不気味だけれど、身に覚えのない検索履歴が出てくること自体気味の悪い話ではある。
それでも興味の方が勝ってしまうのが、オカルト好きの性だ。私は早速、四時四十分にスマホのアラームを設定して眠りについた。
けれども、目が覚めたのは午前六時。アラームは何故か鳴らなかった。
翌晩は大音量で鳴る目覚まし時計をセットしたのだが、また気付いたら朝だった。おかしい。こんなこと普段はないのに。
ムキになって、四時四十四分まで起きてやろうと本を読んだりゲームをしたりして粘ったが、三夜連続で寝落ちという結果に見舞われた。
身体を動かしていたら起きていられるだろうと、真夜中延々とキッチンのガス台や換気扇を磨いていたところ、ようやく問題の四時四十四分まで起きていることができた。
ドキドキしながら、webを開き、検索履歴をタップしようと指先でスマホ画面を触れた途端 ――
スマホの画面が真っ暗になり、スタートボタンをいくら押してもうんともすんとも言わなくなってしまった。
ようやく再起動でき時計を確認すると、時刻は既に四時四十五分。
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