side.楠木 2

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 自分でも、何故そう思ったのかは理解出来ない。けれど、彼が女性と話している姿をこれ以上見るのが嫌で、楠木は咄嗟に踵を返すと、足早にその場を去った。  今日は金曜日。土日は学校も休みだし、きっとその間手紙が届くことはないだろう。  週が明けたら、またこれまでみたいに手紙が届くんだろうか。  いつの間にか小さな楽しみになっていたのに、今は少し、胸が痛かった。  同じ頃、彼が女性に通報されかけていることなど、楠木は知る由もなかった。
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