side.淳平 1

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 シャーペン……はさすがに折れないので、淳平は顔も知らない相手を思い浮かべながら、静かに消しゴムをへし折った。 「来週、ウチの学校でI高のバスケ部と練習試合やるらしいよ」 「マジ? 絶対見に行こ!」 「楠木くん、インターハイで既にレギュラー入りしてたから、絶対試合見られるよね」 「バスケの強豪校で一年からレギュラー入りして、その上成績も学年トップってもうチートレベルじゃない?」 「神、色々与えすぎだよねー。……そういえば、なんかあの子もいきなり雰囲気変わったよね? 急に見た目垢抜けたっていうか」 「ああ、そうそう! 前は黒髪で眼鏡だったし、超地味だったよね? てか一回も喋ったことないから、実は名前わかんないんだわ」 「アタシも! だから今更声かけらんない」  などと教室の隅で盛り上がる女子たちのやり取りは、最早淳平の耳には微塵も届いていなかった。
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