3咬み目

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「本当に少しだからな!いっ嫌になったらやめるからな!」 噛みながら伝えてやると、何本当か!?と目をキラキラさせて、尻尾があれば間違いなくブンブン振っているであろう喜びようで、少し可愛く思ってしまった。 喜々として下半身を出してくるジン。やはりと言うか…萎えた状態でも俺より大きいことだけはわかった。 「怖かったら目をつぶっても良いぞ。」 「や、大丈夫だ。たぶん。」 自分以外のモノなんてまじまじと見たことはない。そりゃあ銭湯に行けば自然と目に入るが、細部までは見ないし、当然勃ち上がったものを見ることもまずない。 「…っつ、もう良い。離せ。このままでは…」 「ひひよ、ほんでやう。」 結果的に言ってしまえば俺は嫌じゃなかった。あまり乗り気じゃなかったし、まさか最後までしてやるとは思わなかった。 でも、すごく嬉しそうなジンを見ているうちにまぁいいか、と思ってしまったのだ。それに……味も、その、予想よりもまずくなかったから、それで気付いたら飲んでいた。 「優牙、嬉しいぞ、優牙、好きだ。優雅。」 しつこいくらいに名前を呼ばれ、好きだなんだと囁かれると、お腹の奥がじんわり温かくなった。 夢の中のモデルに恋をするなんて…俺やばいんじゃないか、とは思うものの、俺はこの心地の良い空間を手放せずにいた。
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