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いんだな」竜馬は澄ましたように言った。
「俺もこの矛盾している自分が嫌に感じている。本当は復讐などしてはいけないと分かっているのに」
射手矢も苦しんでいた。
音根は芳香を後ろに下げる。
「射手矢は優しいから仕方ないよ」音根は励ました。
「結局あなたも甘いという事ね」三菜は嫌味っぽく言うが励ましでもあった。
受験当日、正輝たちが合格版を見ると自分たちの番号があった。
「やった!!」正輝たちは喜んだ。
そして喜びながら手続きに行くとそこには驚くべき光景があった。
正輝たちの前に傷だらけで倒れこむ生徒たちがいた。
「あいつだ! あいつが飲み物に毒を持った毛虫を入れた!」賢は言った。
皆、正輝に注目する。
正輝は否定するが誰も信じていなかった。
「俺はやっていない」正輝は否定した。
その後の学校の調査の結果、正輝の毒入り毛虫事件の件は無罪で済んだがしかしこの調査をきっかけに正輝の暴行、恐喝事件が発覚しそしてその結果、正輝は難関校の合格は取り消しとなりさらに高校退学という処分となった。
正輝はショックのあまり引きこもりになりそして誰にも会いたくなくなってしまった。
「ありがとうございます」賢はお礼を言って頭を下げた。
「仕事だからいいんだよ」
貴虎は去っていった。
貴虎が歩いているとそこに夢都と音根、射手矢がいた。
貴虎は夢都に籠を渡した。
「まさかちゃんと返すとはな」夢都は驚いていた。
「毒を抜いているとは予想外だった」
あの時、夢都は魔法の力で毛虫から毒を抜いていた。
そのため生徒たちは急遽毒なしで演技をする事となった。
「お前、本当に毒を飲ませるつもりだったんだな」射手矢は怒っていた。
「当たり前だ。そのぐらいの覚悟はないとな」貴虎に罪悪感はなかった。
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