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12話
夜、三菜は街を彷徨っていた。
夢都達の所に戻る事が出来ないと考えていたため帰る場所がなかった。
ベンチで休んでいると買い物から帰る途中の鮫来と凛が三菜に気付いた。
「どうしたの?」鮫来が近づいた。
「別に」
「帰る場所がないのか?」
「……」
「なら泊めてやるよ」
鮫来の言葉に三菜は驚く。
そして後ろにいる凛を見た。
凛は黙ったままだった。
空達がアジトで休んでいると鮫来と凛が三菜を連れて帰って来た。
「お前…」龍は警戒した。
「彼女帰る場所がないんだ。だからしばらく泊めてあげたいと思って」
「まぁいいだろう」戒は言った。
「おい!」龍は突っ込んだ。
「やめなさいよ」恵令奈は龍に怒った。
しかし龍は態度を変えなかった。
三菜は空の前に行く。
「泊めてもらう代わりに凛の事について話す」
それを聞いた空たちは思わず注目する。
「私は恐らくこの中で唯一凛の事を知っている人物だから」
空達は興味を持った。
その頃、夢都はアジトで1人でいた。
するとインターホンが鳴った。
出ると彩がいた。
「どうした? こんな夜中に」
「実は三菜を預かっているんだけど」
「そうか」
彩は言った。
「三菜はスパイかもしれないけど本当に裏切ろうとしていたのかな」
「さぁあな。だが俺はそうは思わないし別に逃げなくても良いんだが」
夢都の言葉を聞いて彩は笑顔になった。
「凛は今から1000年前に生きていた人間で」
「ちょっと待て! 1000年前って」
「最後まで聞きなさい」
恵令奈は鮫来を注意する。
「凛はある貴族の娘で幸せに暮らしていた。でも難病で昏睡状態に陥っていた。しかし魔法使いであった凛の父親は悪魔の魔術で凛を目覚めさせようとした。しかし何度やっても上手くいかずやがて父親は凛の復活を諦めた。でもその体は魔術によって腐らずに残り死ぬ事もなかった。つまり永久保存状態だった。そして1000年後、その魔術の力に狂いが生じ、凛は復活した。しかし彼女は記憶を失い誰かの命令通りに動く人形のようになったの。つまり彼女は魔女の乗るホウキのように命令がなければ動かない人形なのよ」
それを聞いた空たちは黙り込む。
「そして救は凛の中にある1000年前の魔力を狙っているの」
それを聞いた空達は衝撃を受けた。
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