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「こんばんは、お兄さん」
真っ白な雪が降り積もるなか、春には、桜のトンネルができる並木道を足早に歩いている時、こんな時間に、こんな場所にいるには不釣り合いな女の子に話しかけられた。
その女の子は不自然に光輝いていて、明らかにこの世の者とは違う、そんな雰囲気をもつ子だった
「こんばんは、お嬢さん?」
最初は無視しようと思ったが、その女の子に少し興味が湧いたので返事してみた
すると女の子は嬉しそうに
「わぁー・・・!お兄さん!私のこと見えるんだね?嬉しい!!」
まるで、他の人には見えないかのような口振り・・・というか・・・本当に他の人には見えないんだな・・・
「あのね・・・?もし・・・もしもね・・・?お兄さんがよかったら・・・なんだけど・・・」
女の子は寂しそうな、泣きそうな顔で言った
「また・・・私とおしゃべりして・・・くれないかな・・・?」
きっと・・・今まで何人もの人に声を掛け、無視され続けたんだろうな・・・
その寂しそうな顔に、ずっと一人だった自分と重ねたのか、それとも、彼女の人を惹き付けるなにかに惹かれたのか・・・
「わかった。また一緒に話そう」
気づいたらそう答えいた、そして・・・自分自身も彼女にまた逢いたいと思っていた
「ありがとう・・・!」
嬉しそうに笑う女の子に少しドキッとしてしまう。
だがそれを抑えて何事もないようにその場を後にした
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