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外は相変わらずごった返す人、人、人。
外国人から日本人まで幅広い。
「お姉さん! 乗ってかない?」
そして声をかけてくれるのは、名物人力車だ。
さわやかでほんのり焦げた肌の男の人。流石は人力車の引手、引き締まった体と、人よりたくましい筋肉。清潔感もあってイケメンである。
よし、よく晴れた日だ。落ち込んでいるし風に当たろう!と思い立ちじゃああたりを一周で、とお兄さんの誘いに乗った。
……決してイケメンにつられたわけじゃない。
「ありがとうございます。あたりを回ると一時間ほどかかるけど、大丈夫ですか?」
「大丈夫ですけど……結構長いんですね!」
「はい。でも、人力車って思ったよりスピードが出ますよ。」
「じゃあお願いします!」
荷台のような車まで一緒に歩き、さわやかイケメンにお金を渡して乗り込む。
まるでお姫様になったみたいに、踏み台を下ろされ、荷物を下に入れられて、そして――
「じゃあ、発車しますね!」
威勢のいい声で人力者は出発した。
風が頬に当たって気持ちがいい。観光名所という事もあって、商店街や神社なんかが沢山だ。
「よく、人力車に乗りながらお参りする方もおられるんですよ!」
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