第一章 浅草

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最高の時間を過ごして、イケメンのお兄さんに見送られながら浅草の道の奥へと進んで行った。 人混みをかき分けて、とりあえず一番大きな所へお参りに。 おみくじ……は、怖いから引かずにお願いだけ。 「神様、どうかお仕事見つかりますように。」 本気のお願いをして、いざ出陣。とおもったけど、神社の高くなった境内から見下ろしたら、人がとにかく沢山。まるで節分の豆を見ているみたいな気分になって、思わず人の少ない方へ歩いた。 わかってるんだよ……人が多いところが有名だって……。 そのまま裏道のような場所を歩いていると……。 「飲み屋、居酒屋……。沢山ある。」 小さな看板に光を通したお店がちらほらとあって、その奥。醤油の焼ける良い匂いのする場所があった。 「……浜焼のお店だ!」 看板に、プレミアムフライデー、ビール300円と書かれている。 これはもう、飲むしかない! 飲んでまたリセットするしかない!と中へ入るとそこには、沢山の和服、白塗りの役者さん。 流石は浅草、きっと近くの小屋の人たちだろう。浜焼が昼食なんだろうか。 物珍し気に見ていると、目が合ってしまった。なんとなく気まずくなり、そっとメニューに目をむけた。
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