愛しの彼女

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「美咲ちゃん! 彼が怪我して……。どうしよう!」 「え?なにがあったの?!落ち着いて!」 私はパニックになってる沙羽ちゃんの肩を抱いた。 久しぶりの沙羽ちゃんのぬくもりを感じて嬉しかったけど、今はそれ所じゃない! 「か、彼が……バイク、バイクを修理してたら……何でなの? 何でなのか、分からないけど手が……」 「良く分からないけど、病院に行こう?病院に居るんだよね?」 「うん……うん」 私の自宅に駆け込んで来た沙羽ちゃんの手を取り、病院へ走った。 沙羽ちゃんの彼は右手首から先を失った。 それでも、懸命に看病する沙羽ちゃん。 「右手は不便だけど、左手があるだけ良かったと思う様にしないとね?」 「そうだよね……」 やっと退院した沙羽ちゃんの年上彼は、リハビリを頑張って仕事に復帰した。 「沙羽ちゃんが、お世話したからだね。 良かった」 「ありがとね。美咲ちゃん」 やっと一安心。 と思ったら、今度は仕事場のプレスで左手を潰してしまった彼。 嘘………。 「もう……。 私、面倒見る自信無いよ……」 半泣きの沙羽ちゃんを見るのが辛かった。 また、沙羽ちゃんの彼は入院したのだ。 「沙羽ちゃん、お見舞い行こう」 「彼の姿を見るのが辛い……」 「そんな弱気で、どうするの? 彼の事、大好きなんでしょ?」 「大好きだよ。 でも、もう彼と手を繋げないんだよ?」 「手が無理なら、足でも良いじゃない!キスだって出来るじゃない! 彼は、まだ生きてるんだよ?」 「どうして、そんなに私の事を思ってくれるの?」 「沙羽ちゃんの事が大好きだからだよ」 沙羽ちゃんは、涙を拭うと微笑んだ。
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