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「何か、懐かしい!
何年振り?」
「中学2年の時以来だから、3年だよ」
「入って!」
私は沙羽ちゃんを部屋へ招き入れた。
「変わって無いね」
「沙羽ちゃんにプレゼントがあるの」
「え?なんで?」
「自分の誕生日も忘れちゃったの?」
「あ!そうだった……」
「色々、あったからね」
私は、クローゼットへ向かい、目貼りして置いたガムテープをベリベリと剥がした。
「なにしてるの?」
「誰も開けない様に、保管して置いたんだよ」
そして、バン!
と両開きのクローゼットを一気に開けて
「沙羽ちゃん誕生日、おめでとう!」
と言った。
白く、冷たい冷気が部屋を流れた。
「ひぇっ!」
沙羽ちゃんは腰を抜かした。
「嬉しい?
サプライズだよ!」
クローゼットには、沙羽ちゃんの大好きな彼が、首を吊られてユラユラ揺れていた。
「彼に、ずっと会いたかったでしょ?
だから私が会わせてあげたの。
後、これもオプションでプレゼント!」
私は、沙羽ちゃんの彼の右手と左手が入ったホルマリン漬けの瓶を2個、渡した。
「うっ!い、いやー!」
沙羽ちゃんは、瓶を投げ捨てた。
2個の瓶はカーペットの上に転がってしまった。
「あーあ。酷いね。せっかく回収して置いてあげたのに。
彼と、また手を繋げる様にと思って」
「ど、どうし、て?
な、な、なんで……?」
「私と約束したじゃん!結婚も!死ぬまで一緒に居るって!!
なのに、男となんか付き合って!私は、今でも沙羽ちゃんの事が大好きで、愛してるのに!」
「や、約束?」
「子供の頃に約束したでしょ?覚えて無いの?」
「こ、子供の頃……?そんな約束を……今まで……?」
「そんな?!私は本気だよ?
なのに、コイツは私から沙羽ちゃんを奪って手を繋いで歩いてたでしょ?私の沙羽ちゃんの手を取って!
だから、バイクに仕掛けして、右手を切断してやったら今度は、左手で手を繋いでたじゃない!
腹立ったから、左手もプレス機の電源落として潰してあげたんだよ!
彼に沙羽ちゃんが倒れて、私の家に居るって病室に伝えに行ったら、馬鹿だから直ぐに来たよ?笑えるよね?!あははっ!」
「全部、美咲ちゃんの仕業だったの……?」
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