2人が本棚に入れています
本棚に追加
「うん? あれは……飛行機?」
太陽とは違う、空に浮かぶ物体をつかみ取ろうとしてなんとなしに手を伸ばす。
昔からこういうのは多々あった。決定的な理由じゃない、けれど明らかな確信。脳裏に電気が這うような直感。
でも実際に行動するのは今回がはじめてだった。まさか学校をサボることになるとは思わなかったが、でもそうまでするという事は、きっとこの確信はとてつもなく大事なモノなのだろう。
これを逃すと、きっと後悔する。そう考えて、体のおもむくまま向かった先がこの公園だった。
「なんか大きくなってきてない?」
最初は飛行機だと思ったが、それは違うと徐々に思えてきたのが最初。
その光は面積を大きくしながら、明らかな質量を保ってこちらに近づいてくる。点だったのが丸に、丸だったのが四角に。
形を変えて空から落ちてくるそれは、確実に落下地点をとらえている。私はなおも見上げながら、こう思った。
ここから離れないとヤバい、と。
「えっーー?」
マヌケな声を上げ、逆にその場から動けなくなる私。
ーーその日。謎の爆発により、公園に大きな穴が空いたというニュースが近所を騒がしたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!