ボストン茶会事件

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 次の日彼は本来休日であったが、「用ができた」として研究所に出向くことにした。  彼女は「お留守番してるね」と言っていたので家にいるだろう。朝から起きてランチボックスに昨日の残り物ではあったがお昼ご飯をいっぱいに詰めて渡してくれた。出る前に首に抱きついてキスをせがんでくれたので抱き止めてキスをした。 「ん……、お迎え行く」 「……どこに」 「大学に」 「んなのいいよ」 「じゃあいつ帰ってくるの?」 「夕方……かな。でも用が終わればすぐ……」 「暗くなる前でしょう? 大学くらいすぐ行く」  半ばごねるように「お迎え行く」と言ってきて、彼は心底当惑した。 「ロンだって前はこんな感じであたしのこと離さないってわがまま言ってたんだからね」  緑の目が彼を捕まえて離そうとしない。  確かにそう言われると自分に拒む筋合いがない気はしてくる。  彼は目を逸らした。不覚にも耳まで熱くなるのだった。 「なぁに、自分の言動思い出して恥じ入ってるの」 「的確に言うな」 「フフ、照れてるの、照れてるんでしょう……」  ぎゅうっと抱きつかれて、これが毎朝だったらどうしたらいいのか考えものだと思ってしまった。     
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