第一話 The only way to have a friend is to be one.

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この僕八重葎帳(やえむぐら とばり)は幼少時からアニメや漫画が好きだった。おっと、別にオタクってわけじゃないぞ。それというのも、強くてカッコいいヒーロー、主人公に憧れたからだ。 「お前ら、弱いものいじめはやめろー!」 「なんだよ、お前はー!?」 「うおおおおおお!」    ・・・・・・。 「い、意外と弱かった。まあ、この辺にしといてやるよ」 「へ、へへ。やっぱり正義は勝つ!」 「いや、普通に負けてるからな」 「あ、ありがとう・・・。君は?」 「俺は八重葎帳!正義の味方だ!」 「八重葎くん、凄いね!」 「帳ー、サッカーやろうぜ!」 「今日渡邊ン家で遊ぼーぜ、帳!」 そんな僕も成長し中学生になった時、人生の転換点と言える日が来る。 僕の中学は、知り合いが一人もいなかった。 ・・・あれ?友達って、どうやって作るんだっけ? とりあえず隣の女子に声をかけてみよう。 「やあ、俺は八重葎帳。◯◯小出身です!君は?」 吃驚して、体が一瞬跳ね上がった後、その女子は返答した。 「・・へ?わ、私?私は山本美穂ですけど・・・」 「そ、そうなんだ!山本さんね・・・・」 「う、うん・・・・・」 「山本さん、消しゴム落ちたよ。ハイこれ」 「え、あ、ありがとう・・・」 一日一善。今日も人のために生きれたぞ! トイレに行くと、話し声が聞こえた。 山本さんの声? 「マジ最悪だわ、隣の八重ナントカ。勝手に人のもの触らないでほしいのに・・・」 「アイツ、友達いなそーじゃんww。きっと美穂と仲良くなりたいんだよww」 「冗談でもやめてよー、そういうの。アイツと仲良くなるなんて勘弁してほしいわー」 ・・・・・・・・・・・え? その日、ヒーローを夢見た少年は死んだ。 そして・・・・ 「女の子との接し方を学ぶため、恋愛シミュレーションゲームを買ったぞ!」 「これで女子とも仲良くなって見せる!」 この後、めちゃくちゃのめり込んだ。 そして・・・・・・。 「このラノベ面白いな。あ、スタミナ溜まった」 そんな僕もいまや立派なヲタクです。
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