第1話.Xmas

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「お店、今日はお休みなの?」 「ああ、今日はもう店じまいしてきた」 「クリスマスなのに?」 「うん、クリスマスだからね」 「そう」  少し悲しげな表情をする彼女に 「君のせいじゃないよ。俺が勝手に休んでいるんだから、気にすることなんかないじゃないか」 「そうだけど……」 「こうしてまた君と会える事の方が重要なんだよ」 「変なの。どうして私と会うことがそんなに重要なの?」 「さぁな、どうしてかな」 「いつも会っているじゃない」 「一年に一度だけな」 「いじわる。そう言って私をいじめて楽しい?」 「いじめてる? 俺が君を。こうして毎年会いに来ている俺に、そんなことを言うのか」 「そう、言うの」  彼女はまっすぐ顔を上げ、きっぱりと答えた。 「毎年会いに来ているのは私の方なのに」 「そうかもな」  あとは何も返すことができない。
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