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朝に目が覚めると、私はあまりの寒さに布団からでられなかった。今日は寒いから学校に行きたくないなどと思いながら布団にくるまっていると。母に大声で起こされた。
「美里、学校遅刻するよ早く起きなさい」
「もう起きてるよ」
「だったら早く起きなさいよ。洗濯物出すからパジャマ早く脱いでちょうだい」
私はしぶしぶ布団から出てパジャマを脱ぎそのまま制服に着替えた。
私が住んでいる家はマンションで一か月ほど前までは父と母と私の三人で暮らしていたが。父が初めて会社で単身赴任をすることになってからは二人で暮らしている。
父と母は対照的な性格で、どう猛な肉食動物のメスが気弱な草食動物のオスを従わせているような構図で夫婦関係が成り立っている。
基本的に母が何かしゃべると父は相槌をうって、うんうんとうなずく。母はおしゃべりで、父は無口なのだ。正反対の二人だけど父も母も二人でいる時はとても幸せそうに見える。もちろん一人娘である私がつまはじきにされているわけではない。けれど父と母との間に私がどうしても入っていけない気がする時があるのだ。
なんというか二つで完璧に結合する機械の部品に新しいオプションのパーツがつくような。
テレビショッピングで本体と別に付いてくる、あってもなくてもいいような「おまけ」が自分のような気がしてくる。
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