9人が本棚に入れています
本棚に追加
「いえ、私の勘違いでした」
ロイはそう言うと何事も無かったかのように洞窟の方へと向かった。
絶対にバレた。
そう思っていた二人だが、なぜかロイは二人のことを隠し、そして何事もなかったかのように去って行った。
ルークは確かにロイと目が合った。
いくら暗いと言ってもあの距離で目が合えば、勘違いなどあり得ない。
「ふー、なんとかバレずに済んだな」
胸を撫でおろすギルは木にもたれかかったまま力ない声で言った。
そして力尽きるようにゆっくり膝を折り、その場に座り込んだ。
「俺、あいつと目が合った。なのにあいつ、わざと俺たちに気付いてないふりしやがった」
「たまたまだろ。こんだけ暗いんだ。誰だって間違えるよ」
ギルはそう言うが、ルークだけはロイの行動に疑問を感じていた。
「なんだこれ」
ロイのいた場所に一枚の紙切れが落ちていた。
ルークは紙切れを拾い、中身を確認する。
そこに書かれていた内容にルークは目を丸くし、驚いた。
最初のコメントを投稿しよう!