第二章 真実

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「こらこら、慌てないの」 微笑むラミは、ノエルの嬉しそうな表情に満足そうに言う。 食事中は食べるのに必死で二人の間に会話は無かった。 ラミは夢中になって食べるノエルの姿を見て、お腹一杯なのかあまり料理には手を付けていなかった。 しばらくし、食事を終えるとノエルは母に疑問を投げる。 「ねぇお母さん」 「なに?」 「この森の外にはさ、何があると思う?」 ノエルの質問にいつも優しいラミが目の色を変えた。 丸い目を見開き、高い金切り声で「何を言ってるの!」とノエルに向かって叫ぶ。 ラミの姿にノエルは一瞬怯む。 いつも穏やかなラミがこんな姿になるのは見たことがない。 「いや……。ちょっと気になったから」 「いい? 外のことなんて考えなくていいの。あなたはここでずっと生きていけばいいの」 ラミはノエルの顔を両手で包み込むようにし自分の顔を近づけ、そう言った。 さっき程の勢いはなく、次はどこか悲しげな表情を浮かべ最後には「お願いだからあなたはここにいて」と涙を落とした。 その涙はノエルのズボンに一粒落ちて、そのまま染みていく。 どういう意味だろうか。 ノエルは父となにか関係しているのか気になったが、ここはあえて黙っておいた。
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