第二章 真実

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「で、どう思う?」 「どうって、これじゃ無理じゃない?」 ヴェンの案を否定するノエル。 もうこのやり取りを何度もしている。 「はー、なんか良い案ないかな」 「ヴェンはさ、なんで僕を誘ったの?」 ヴェンは呆れた表情でノエルを見た。 「今更かよ」と笑いながら、寝ている体を起こし、腕を上に伸ばした。 「ノエルが答えを求める人だったからかな」 「なにそれ。よく分かんないだけど」 ノエルは困惑した表情でヴェンに言うが「分かんなくてもいいよ」とすぐに話しを切られた。 二人はルークの日記に書かれていたことが本当なのか、まずはそれを確かめようとしているのだが、全くいいアイデアが思い浮かばない。 日記の中では洞窟に入ったと書かれているが、方角も地図も何も記されていない。 「なんで父ちゃんは地図を描いてくれなかったんだろうな」 愚痴を言いながら再び横になるヴェン。 今日は学校が休みで朝からずっとこの調子だ。 「実際に外に出てみたら?」 「なんで他人事なんだよ」 ヴェンの厳しい突込み。 ノエルは昨日の母の姿から、自分が森の外に出る事に少し戸惑いを感じていた。 そんなことを知らないヴェンは、ノエルと一緒に外に出ることばかりを考えている。 戸惑いの中、ヴェンに昨日の出来事を話し、理解してもらうことは可能だろうか。 ノエルの頭の中では外に出ることよりも、ヴェンに納得してもらえる方法を模索していた。 「あのさ」 なんの考えもまとまってないが、気付いた時にはノエルはそう言っていた。 この後の言葉なんて特に考えていなかったノエルだが、「昨日、母さんに話したんだ」と素直に起こった事実を伝える。
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