プールの連続事故

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
とある地方にある中学校にはプールが無い。 なのでこの中学校には水泳部が無い、そもそも水泳の授業さえも無いのだ、その理由を先生達は「土地の問題」などと言っているが、この学校の卒業生の話では、「昔はプールがあったのだが、事故が多発していつの間にか閉鎖され、取り壊された」という話もある。 そして学校内ではプールに纏わる噂がいつの間にか囁かれるようになった。 昔、まだ学校が建つ前この地域は村だったらしい、そしてある年に大きな水害があった、連日続く大雨で村の中は水没、他の村に逃げようとしても道が土砂で埋まったり橋が沈んでしまったり、結局その村の住人は全員助からなかった。 そしてその住人達の遺体は、今でもこの地域の土地に埋まっているらしい、そもそも水没した村をそのまま埋め立ててしまったらしく、土地に埋まっているのは遺体だけではなく、村の住人が使っていた農具やもあるらしい。 そしてこの学校が設立して、埋められた村の住人達の亡霊は、大量の水が溜まっているプールに集まるようになり、そのプールに入った生徒を道連れにしようとして足や腕を引っ張ったり、金縛り状態になってそのまま溺死した生徒もいた。 そんな事態が短期間で立て続けに起こり、学校側はプールを閉鎖、しかしそれでも学校内で怪奇現象は起こり続けたので、プールは取り壊されてしまったのだ。 しかし最近、妙な噂が学校内のみならず地域中で話題になっている、その時期に大雨になった記録は無かったらしい、なら何故学校のプールで亡霊達が学生を引き込もうとしているのか。 実はその土地を再開発しようとする大金持ちの財閥がいたらしく、その財閥と村の住人達は対立していたのだ、そしてついに痺れを切らした財閥は村の住人達を惨殺、その遺体をそのまま埋め立てて再開発を行なったらしいのだ。 そしてその財閥が建てた学校を妬んで、村の住人達の亡霊はまだ学校に潜んでいるらしい。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!