1人が本棚に入れています
本棚に追加
雪の結晶。師走の吐息。早朝の霜
雪の結晶。師走の吐息。早朝の霜。買ったばかりのキャンパス。思考の霧。空に浮かぶお月様。
白く白い世界。
そして君もまた白い。
正しくあろうとする君は、純白でとても脆い。
そんな君に、羊毛の毛糸で編んだマフラーをふわりと巻いてあげる。
少しでも君を守ってくれるように。
祈りを込めて、ひと目ひと目を丁寧編んでいった。
白さを守ることは、簡単ではないと思う。
それでも君はどうして、白くあろうとするの?
ある程度、黒く染まってしまえば……いっそ楽なのに。
そう思いながらも、マフラーを巻き終わり僕は満足する。
白い君には、白いマフラーがよく合う。
君は少し驚いて、それから白い頬を薄紅色に染めた。
そんな君が愛おしい。
最初のコメントを投稿しよう!