雪の結晶。師走の吐息。早朝の霜

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雪の結晶。師走の吐息。早朝の霜

 雪の結晶。師走の吐息。早朝の霜。買ったばかりのキャンパス。思考の霧。空に浮かぶお月様。  白く白い世界。  そして君もまた白い。  正しくあろうとする君は、純白でとても脆い。  そんな君に、羊毛の毛糸で編んだマフラーをふわりと巻いてあげる。  少しでも君を守ってくれるように。  祈りを込めて、ひと目ひと目を丁寧編んでいった。  白さを守ることは、簡単ではないと思う。  それでも君はどうして、白くあろうとするの?  ある程度、黒く染まってしまえば……いっそ楽なのに。  そう思いながらも、マフラーを巻き終わり僕は満足する。  白い君には、白いマフラーがよく合う。  君は少し驚いて、それから白い頬を薄紅色に染めた。  そんな君が愛おしい。
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