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弟の悠成と私、智花が似ていないのは、血が繋がっていないからだ。
5歳の時に両親が子連れで再婚。
現在21歳の私たちは、誕生日が3ヶ月しか変わらない、同い年の姉弟なのだ。
「悠成って、彼女いないの?」
「いないけど、それがなに?」
「そっか、よかったぁ。いたら誘うの申し訳なかったもんね」
「……」
呼び出しといてなんだけど、ちょっと安堵する。
弟はモテるせいか、女の子に頓着しない。
彼女より私を優先してしまって約束を破ったり、冷たくあしらったりする事がある。中学も高校もそんな感じだった。
大学は別のところに通っているのでよく知らないけれど、もし彼女がいてデートの約束をすっぽかしてこちらに来ていたとしたら、申し訳なさすぎる。
私が優先されたり優しくされるのは、もちろん家族だからだ。
他人同士が集まって出来た家族。色々あったけれどなんとか上手くいっているから、きっと彼なりにそれを崩したくないんだと思う。
その心遣いは嬉しいんだけど、お姉ちゃんは心配です……。
「そういえば、パパとママは?」
「デートだって。いい年して落ち着きないよな」
「ふたりにディナーあげたらよかったかなぁ?」
「いや、ディナークルーズがどうとか言ってたから……」
うちの両親はラブラブだ。私たちが大きくなってからは、毎年クリスマスは家を空けて帰ってこない。
だから毎年、悠成とふたりきりでケーキを買ってテレビを見て過ごしていた。
「今年もいつもと変わんないなぁ」
そう毒づきながら、イルミネーションを眺める。
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