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花桜
いつものことのようだが、この思いは。
そう思うことがただしい気がしているが
変わる必要にせまられていた。
完全に脳のシナプス回路から変える必要がある。
100パーセントの自分を変える必要はないが、無いと信じているが
変える必要に迫られていた。
日々に変化していく生き物だと認識しているはずだが、
もっともっと細部にわたるまでの変化にセンサーを働かせてはいなかった。
それに気づいたのが幸いなのか、そのときはわかっていない、
いやそれに気づいたことがすべてのはじまりだろう。
道行く人に心おどろらせたり、思考を向けたりすることに疲れたみたいだ。
自分の脳みそがオートメーション化したような錯覚に陥ることがしばしばあるが、
寝起きのときと、道行く人に思考を奪われるそれだ。
寝起きといえば、自分の思考のプロセスやスピードが可視化したのを覚えています。
そう、それは思考、思慮さえも無駄に思えるほど高速に、無機質なものです。
もう考えるのは、やめよう。
もうあれに任せてまっすぐに生活をしようと。
そう思って日々を過ごすのだけれども、またまた気づかされてしまった。
あれに任せっきりだとなんかなにか味気ないんだ。
と。
あれにまかせっきりにせずに意識的に行こう。
そんな自分あいまいなジャッジでこれからも歩いて行くんだろう。
今にみていろと。
いまにみていろ。
この怒りのような感情はどこからわいてくるのだろう。
そして、どこに向かっているのだろう。
卒業後、引っ越しの日が1週間に差し迫った午後、みつるはA版のノートの1ページ目に殴り書いたようなこの文字を眺めていた。
日差しがおでこだけを照らしている。
みつるはこの3月で地元札幌の商業高校を卒業して、4月から一人暮らしをする。
就職でもなく、大学でもなく、短大でもなく、専門学校に進路を決めたのは、就職する意欲もないうえに大学に行く学力もなかったため、選択肢がこれしかなかったからだ。
手に職をつければ生きていけるだろうと、
一人で生きていけるだろうと。
調理師専門学校に進路を決めた理由の一つは学生寮があったという浅はかな理由だ。
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