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水ちゃん好きすぎ病
【天界・喫茶キリン】
卯恋「…………はぁ」
麒麟「あら、卯恋ちゃん、ため息なんかついてどうしたの?」
卯恋「麒麟さん……。私はどうすればいいの?」
【麒麟とは、中国に伝わるあの有名で、天界に住む妖である】
麒麟「なーに?悩み事?」
卯恋「悩み事ー。恋の悩み事なのー」
麒麟「なになに、オニイサンに話してごらんなさいな」
【説明しよう!麒麟さんはオネェなのだ!】
卯恋「いいの!?」
麒麟「いいわよー」
卯恋「あのね…」
麒麟「うんうん」
卯恋「水ちゃんが好きすぎてしょうがないの!」
麒麟「ふむふむ、水戌くんが好きすぎてしょうがな………って、え?」
卯恋「水ちゃんにめちゃくちゃ冷たくされてるのに、好きになる一方で困ってるの!」
麒麟「……………………それで、いいんじゃないかしら?駄目なの?」
卯恋「ダメなの!だって、水ちゃんが好きになってくれなきゃ、いくら好きになったって意味ないもん!そうでしょ!?」
麒麟「……そ、そうねー……。じゃあ、一回水戌くんから離れてみたらいいんじゃないかしら」
卯恋「水ちゃんから、離れる?」
麒麟「『押してダメなら引いてみろ』って言うじゃない。引いてみるのも大事よ、卯恋ちゃん」
卯恋「引いてみる…………」
ぶわっ【泣き】
麒麟「ええええええ!?卯恋ちゃん、どうしたの!?」
卯恋「麒麟さーん……。水ちゃんから離れるなんて無理。離れたら永遠に放っておかれる。絶対そうよ」
麒麟(た、たしかに……。水戌くんならやりかねないわね。普段は何も考えてなさそうなのに、そこは冷静なのね卯恋ちゃん)
【麒麟さん、卯恋に失礼です】
卯恋「麒麟さん、どうしよう……」
麒麟「……卯恋ちゃん。とことん水戌君を好きでいればいいじゃない。案外、水戌くんも卯恋ちゃんのこと想ってるかもしれないわよ?」
卯恋「そ、そうかな……?」
麒麟「いい?よーく水戌くんの反応を見るのよ。いつもと違うところがないかじっくりと。そしたら、分かるんじゃないかしら?」
卯恋「……わ、分かった。私、頑張ってみる!麒麟さん、はい、お代!」
麒麟「あら、帰るの?」
卯恋「うん!早く帰って水ちゃんに会いたい!ごちそうさま!」
麒麟「はーい。………………卯恋ちゃん、水戌くん好きすぎ病ね」
【この日、麒麟さんは密かに卯恋を『水ちゃんオタク』と呼ぶことにしたという】
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