後日談④いつかやってくる君へ

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「俺の身体も、いつ、どんな変化が起こるかわからない。後天性アルファだからといって、全てのアルファと同じなわけでもない」 「うん。でも、昂は昂だよ。バースなんて関係ない」 「……だな。俺も綾人だから好きなんだ。時間はかかるかもしれないが、そのときがくるまで今まで通りのんびり過ごそう」 「そうだね。それだけでも、俺は十分に幸せ」  まだ手は繋いだまま、綾人は昂の肩口に頭を乗せる。 「子供を授かっても、まとめて幸せにする自信はあるぞ」 「俺だって昂に負けないよう、幸せにする自信あるもんね」 「幸せ勝負だな」 「いいね、それ」  乗せていた頭をあげて、目を輝かせる綾人。  可愛い、なんて思いながらも、昂は目元に唇を優しく落とす。 「それで子供ができたら、今度は三人で幸せ勝負しないとな」 「子供には早いよ、もう」  二人で笑い合う。  いつか、そう遠くない未来にやってくるかもしれない子供に、昂も綾人も思いを馳せる。  そのためには、まず自分たちが幸せでないといけない。  なので、まだしばらくは迎えることはできないし、子供のことを忘れているかもしれないけれども、そのときになったら自分たちの元においで――と、お互い同じことを胸中に抱きながら身を寄せ合った。  終わり
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