第2話

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第2話

 綾人と一緒に住むことを決めたのは、一週間の発情期間が終わってすぐのことだった。ベッドの中で疲れている綾人を抱きしめ、優しく落ちつかせている最中にぼんやりと思案していたのだ。  番のいるオメガであれば、発情期は来ても誘発するのは番のアルファのみ。なのに、そのフェロモンがベータである昂にも、少なからず影響している。  そうなると、綾人がアルファに番を解消されてしまったことが安易に想像できる。  だからこそ、綾人をそのままにしておけなかった。  なんとか綾人を説得し、番と一緒に住んでいた家を引き払えば、昂の家へと住まわせることにした。いくら綾人の名義に変わっているからといえど、思い出が詰まっている家に綾人をひとりで過ごせたくなかったのだ。  そんな昂の家には、少しずつ綾人の私物が増えていった。 「……ごめん。迷惑かけて」  発情期間が落ちつき、昂が「俺と一緒に住もう」と説得したとき、綾人は申し訳なさそうに告げた。 「迷惑だと思ってない。迷惑だと思ったら、最初から助けない」 「……ありがとう」 「いいんだ。これくらい」  好きでやっているのだ。嫌々ながらやっているのであれば、ここまではしない。     
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