第4話

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第4話

 発情期のために身体を重ねるのは、もう何度目になることか。  その度にちらつく綾人の苦しい表情。どこか痛いのか、と訊くも、綾人は上気した顔で、目に涙を浮かべながら首を振った。 (なにをそんなに……なにか隠していることがあるのか?)  ある僅かな理性で考えながら、昂は最奥を突きあげた。  昂から言っても、恐らく口は割らないだろう。  大人しく言ってくれるのを待つか――それだと、いつまで経っても話してくれない気がする。 「っ、はぁ……あやと」 「ん……な、に?」 「俺に、なにかできることはあるか?」 「……」 「前にも言ったが、悩んでいることがあれば言ってほしい。言って少しでも楽になるなら……」  なにを抱えているのか、手助けできることがあれば協力したい。 「別に言いたくなければ言わなくていい。だが、言いたいときがくれば、いつでも聞くからな」 「……うん」  しかし、綾人のことだ。  これ以上、迷惑ばかりかけたくないと思っていることが目に見えている。  何度、学習したらわかってくれるのだろうか。  そんなことを思いながら、綾人と一週間を過ごした。     
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